野生梨のお話

ナシの多くはニホンナシなどとの雑種を形成しており、自家不和合の強い野生型イワテヤマナシは北上山系のなかでもごく限られた高地にしか存在していない可能性を示唆する結果が得られています。現在、野生型の分布域の特定をおこなっており、保全にむけた準備を進めています。これらの研究がきっかけとなりイワテヤマナシ(=ミチノクナシ)は2007年8月環境省レッドリストの絶滅危惧ⅠA(CR)類に指定されました。

丹波耕作放棄地をナシ園に 神戸大と篠山市民らが協力

 長い間人の手が入らず放っておかれた農地を活用しようと、山などに自生する「ヤマナシ」を栽培する取り組みが兵庫県篠山市真南条上で始まった。神戸大学大学院農学研究科講師の片山寛則さん(45)と地元住民らでつくる環境保全向上活動委員会が協力。栽培したナシをジャムや酒などの加工用に販売する計画だ。片山さんは「地域の独自産業として発展の可能性を秘めた事業」と期待を込める。(小尾絵生)
片山さんは12~13年前からヤマナシの研究を始め、加西市の同大付属研究センターで750種類を栽培している。一般に流通しているナシに比べて病害虫に強く、栽培しやすいのが特徴という。
3年ほど前に農産加工品などの製造販売会社「樽正本店」(神戸市灘区)から、ヤマナシをジャムに使いたいと申し出があった。40種類のサンプルから、試作などを繰り返し、2年がかりでジャムに適した品種を選び出した。酸味が強く、熱しても香りが飛ばない点が特徴。製品化に向け、栽培する場所を探していたところ、以前から同大と交流のあった真南条上営農組合のメンバーが放棄農地の活用を提案した。
農地は計20アールで、まず8アールに選ばれた品種の苗木15本を植える。畑は20年以上利用されておらず、20~21日、片山さんと学生、地元住民らが伸び放題になったササを取り除く作業を行った。植え付け後は同組合が中心となって世話をする。

「野生梨の加工品は兵庫県の農商工連携の事業から生まれました」

事業計画の内容は次の通りです。

イワテヤマナシの栽培・加工事業の概要

今は、「文明の被害」の部分ともいうべき、放射能の問題、薬品公害、交通事故、自殺者の増加、うつ病を含む精神疾患、等などが臨界点に達した感があるが食品の世界においても、食品公害、一連の食品偽装事件等などが続く中食品業界・流通業界において、「本物志向」「安全志向」「健康志向」「自然志向」「伝統志向」といった概念が潮流となり各企業もこの流れに参加し始めているが、それはあくまで企業理念としてではなく、流行として、あるいはファッションとしての参加であり、食品の外観はファッショナブルで本物のように見えても中身は伝統技法が全て省略され、本来のものとは程遠いものとなっている。

これに対し、未だ、少数派ではあるが食文化に対して高い意識をもつ消費者層は味と品質において根本的な欠陥をもつこれらの食品に対し強いフラストレーションを抱いており、この傾向は広がりつつある。当社の固定顧客の中にはこのよう消費者層が多く、当社の事業展開はこのような意識の高い消費者のもつフラストレーションに的確な回答を与えることを目的としている。

当社は食品づくりに際し、①原料の厳選②加工段階の純正③磨き抜かれた伝統技術による裏付け④消費者との響創関係の重視を原則にしている。

以上を踏まえて、特に、最近の果物がその育種・栽培の開発研究目的が経済目的と生食用を目的としているため、甘み・形状が重視され殆どが酸味・ペクチン質を必要とする加工用に適さないものであるために当社が、野生種の果物イワテヤマナシの加工品をつくる計画に着手したものである。

具体的には、
当社が神戸大学農学部と研究開発をおこなっている野生梨の中から市販の果物では得られない、芳香性が高く各種の酸味・ペクチン質を多く含む加工に適したイワテヤマナシi861他2,3の種を選び、篠山市真南条上営農組合が野生梨の定植・栽培し、収穫された梨を当社が加工し、当社の固定顧客(京阪神・東京・鎌倉地区の富裕層が多い)及び、広く食文化に関心をもつ、消費者層を対象に更にはこの商品に相応しいデパートチャンルで情報流通を伴う販売促進を行い真の食文化に値する、当該開発品を販売する事が本事業の目的である。

商品としては、ジヤム・プリザーブ・カードその他の加工品等であるが、いずれも市販品のゲル化剤・酸味料・その他食品添加物使用を前提とする製造技術による安直な量産品ではなく、伝統手法を遵守した本格的なリアルジャム(本物の広義のジャム類。Real Jamは「素敵なご馳走」を意味する言葉にも使われる)及び其の他の加工品等である。

更に、これら新商品と当社の既存の商品あるいは乳製品とのコラボレーションも計画しており、このような商品群は製菓業界とのコラボレーションも期待される。

開発する新商品等の特色

野生梨の1種であるイワテヤマナシ(i861)を使った果物加工品は、香りが高く、有機酸、ポリフェノール類などの機能性成分を多く含有し、食したとき、自然の酸味がよみがえり、今求められている、自然の甘み(人工的な低糖度と異なる)が楽しめる。又喉の消炎・解熱効果・疲労回復等の効果があることが予想される。
国内他社製品や輸入高級ジャム類・果物加工品は殆どゲル化剤、クエン酸が添加されているが、当社は野生梨の優位性を活かし、このような凝固材、酸味料・その他の食品添加物を使用しない事が特徴である。
一般的には、香りについては、市販品は合成着香料が使用されているが、これと対照的に、野生梨には自然の品のいい香りが期待できる。既存の梨は水分が多く、甘みがあるが、芳香性に乏しい。

技術上の特色としては、伝統手法の技術の中から、現代の嗜好にあった技術を戦略的に選択している点であり、それは、盲目的な伝承技術の遵守と異なるものであり、又現代風にアレンジした本物風とも異なり、更には品質の一つの要素である安全性のみを強調する、いわゆる健康食品・自然食品とは異なっており、その点で若年層を含む幅広い消費者層の共感をよぶものと確信する。

具体的研究開発方法

上述の如く、最近の果物はその育種・栽培の開発研究目的が経済目的と生食用を目的としているため、甘み・形状が重視され殆どが酸味・ペクチン質を必要とする加工用に適さないものであるために、当社は神戸大学大学院農学研究科の指導助言により、実験農場で過去数多くの野生種の中から試作実験をへて、コンフィチュール加工等に最適の品種であるイワテヤマナシi861番その他野生種2,3種を選定した。
今回それらの選別された品種の木を篠山市真南条上営農組合の休耕地に植え、収穫時まで神戸大学大学院農学研究科が指導を行い、収穫後は当社がそれを加工するものである。果物加工の製造技術に関しては伝統の食の保存の技術をアイデンティーとする当社は当社独自の技術をもち、市販品のゲル化剤・酸味料に頼る技術とは一線を画すものである。
今回野生種の梨の入手により、当社の伝統手法による技術に一層の磨きがかかることが期待される。

事業成果(試作新商品等)の活用方法

25年度産(25/6迄は助成事業の為販売は不可)より順次販売を開始する。
食文化に対し高い意識を持つ消費者団体はじめ、広く食に関心をもつ一般消費者・ネットの顧客等このような真に食文化の名に値するものを求めている層に対しにダイレクト販売を行う。

更に当社の商品に相応しいデパートチャネル・製菓業界への販売も行う。当社の提供する他のコンフィチュール・乳製品等既存商品とのコラボを図り、軽薄なグルメではなく人々の真に豊かな楽しい食生活に資する。28年9月を目途に売上3000万を見込む。

神戸大学大学院農学研究科講師の片山寛則先生による「野生梨セミナー」

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片山先生のホームページ http://www2.kobe-u.ac.jp/~hkata/kenkyunaiyoNashi.htm

神戸大学と共同開発された 野生梨のジャム

自然のペクチン質・酸味が多く含まれた芳香性が高いジャムです。

宮沢賢治の童話にはヤマナシが出てきます。童話「やまなし」の中で「ああいい匂いだな」と香りに
関する記述がありますが、今の市販の梨は甘くて水分があっても香りは殆どありません。
この童話に出てくる「やまなし」と同じもので今では殆ど手に入らない野生梨の保全にむけ努力を
続けている人達のお蔭で貴重な財産が今でも残っております。
当店では、野生梨の保存に取り組んでいる地元神戸大学との共同開発で野生梨の中から
「イワテヤマナシ」を選定し、自然の芳香性に飛んだ素朴で美味しいジャムを作ることができました。
生の梨で食べるより美味しい数少ない本物のジャム“リアルジャム” です。

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〈野生梨の栄養と効能〉

野生梨イワテヤマナシのジャムは香りが高く有機酸、ポリフェノール等機能成分を多く含み食した時に自然の酸味が甦り、今求められている自然の甘味(人工的低糖度と異なる)が楽しめます。
シャリットとした食感の果肉は石細胞と呼ばれる食物繊維はじめ自然のソルビトール アスパラギン酸、カリウムが含まれ高血圧・動脈硬化・心筋梗塞・脳梗塞の予防・咳止め・利尿作用・便秘改善・解熱効果・疲労回復等の効果があることが予想されます。

〈産学共同〉

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〈野生梨のいろいろ〉

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